龍登園のGardening Diary「四季折々の植物 キク(菊)」
龍登園のローズガーデンの約400株の薔薇たちや、敷地内の草花の管理に
アドバイザーとしてお手伝い頂いている吉田先生のガーデニング・コラムです。
四季折々の植物 『キク(菊)』
菊(キク)
科名/キク科キク属学名/Chrysanthemum morifolium
分類/多年草
原産地/中国・日本
花期/秋
日本には、タンポポなど多くの野菊が自生するが、家菊・栽培菊は日本になかった。
『万葉集』には157種の植物が登場するが、菊を詠んだ歌は一首もなく、『古今和歌集』あたりから詠まれるようになったということは、中国から奈良時代末から平安時代初めに薬草や観賞用植物として渡ってきたのだろう。
『和名類聚抄(わめいるいじゅしょう』(10世紀前半成立)巻20「草類」における菊の和名表記として、「加波良與毛木」(カワラヨモギ=河原蓬)が記されている。
春の桜に対して日本の秋を象徴する花となるが、それが決定的となったのは、鎌倉時代の初め、後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好み、「菊紋」を皇室の家紋としたころからである。また、平安時代に藤原から改名した九州の豪族菊池氏も家紋に「菊花」もしくは「菊葉」を使用している。
育種が一気に展開したのは江戸時代から、特に元禄時代以降である。様々に仕立てられた菊が観賞され、江戸時代から明治、大正時代にかけて日本独自の発展をした古典園芸植物一つとして、現在では「古典菊」と呼ばれている。
懸崖作り 太宰府天満宮菊花展
太宰府天満宮菊花展
太宰府天満宮菊花展
太宰府天満宮菊花展
盆栽仕立て 太宰府天満宮菊花展
福助づくり 京都府立植物園
千輪咲き 二本松市観光連盟
菊人形 二本松市観光連盟
だるま作り Weblog「和みの庭・兼六香菊」
仕立て方
* 三段仕立て盆養(最も代表的な仕立て方)
- 芽の先を摘心して一本の苗から3本の側枝を伸ばし、支柱でそれを支える。
- 直立した3本の枝に一輪ずつ花をつける。
- 一番高い枝が「天」といい、3本の真ん中後ろの枝をそれにする。
- 残り2本が「地」「人」という。
- 背の高さは「天」⇒「地」⇒「人」である。
- 鉢は8号から10号のものを使用する。
*ダルマづくり(丸っこい姿からこの名が付いた)
- 三本仕立て」の小さいもの。
- 「天」の高さを60㎝から65㎝以下に収まるのが条件。
- 矮化剤を使う。
*福助づくり(ずっしりとした姿からこの名が付いた)
- 鉢の直径より葉の幅を大きくし、一輪咲かせる。
- 5号鉢に植え、矮化剤を使用する
*懸崖づくり
懸崖用の小菊を、前年の秋にさし芽し、摘心を繰り返して形を作る。
*千輪咲き
秋にさし芽したものをひたすら摘心し、一鉢で3mから4mほどの半球状に仕立てる。
参考資料 フリー百科事典・ウィキペディア
動物と植物の関りは、地球誕生から今日まで、生命を維持するための酸素の提供、体を作る食料として切っても切れない関係にある。 また人類との関係は有史以来、冠婚葬祭などのお供え物に利用してきた。
この冠婚葬祭に植物を利用することがガーデニング (園芸作業)の始まりである。 初めは、野山にある植物の葉や花を摘んで飾ったであろう。
しかし、野生の物を取りに行くより、家の近くに植えた方が効率が良いことに気づいたのである。その為には「いつ頃移植をしたが良いか」「いつ花を切ったが長持てするか」など試行錯誤したであろう。
私達は先人からの教えでより良いガーデニングを行うことができる。
このコーナーでは、植物に関わる事を紹介しようと思う。