龍登園のGardening Diary「四季折々の植物 トリカブト」

龍登園のローズガーデンの約400株の薔薇たちや、敷地内の草花の管理に
アドバイザーとしてお手伝い頂いている吉田先生のガーデニング・コラムです。

四季折々の植物 『トリカブト』

トリカブト

科名/キンポウゲ科トリカブト属
学名/Aconitum
分類/多年草
原産地/日本・中国・朝鮮半島
花期/夏から秋にかけて
ドクウツギ、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされ、トリカブトの仲間は日本には約40種が自生している。沢筋などの比較的湿気の多い場所を好む。しかし、天山の「タンナトリカブト」は頂上付近の日当たりの良い場所に散在している。
トリカブトの名の由来は、花が古来の衣装である鳥兜・烏帽子に似ているから、鶏の鶏冠に 似ているからとも言われている。英名の"monkshood"は「僧侶のフード(かぶりもの)」の意味。

塊根を乾燥させたものは漢方薬や毒として用いられ、烏頭(うず)または附子(生薬名は「ぶし」、毒に使うときは「ぶす」)と呼ばれる。本来、「附子」は球根の周りに付いている「子ども」の部分。中央部の「親」の部分は「烏頭(うず)」、子球のないものを「天雄(てんゆう)」と呼んでいたが、現在は附子以外のことばはほとんど用いられていない。


全草、特に根に致死性の高い猛毒を持つことでしられている。主な毒性分はジテルペン系アルカロイドのアコニチンで、他に低毒性成分を持ち、採取時期および地域によって、毒の強さが違ってくる。 蜜や花粉にも毒性があるため、養蜂家はトリカブトが自生している地域では蜂蜜を採集しないか、花の時期を避けるようにしている。
芽吹きの頃にはニリンソウ、ゲンノショウコ、ヨモギ、モミジガサと外見が似ているため間違えやすく、誤食による中毒事故がしばしば報道されている。


古来、矢毒として塗布するなどの方法で、狩猟・武器目的で北東アジア・シベリア文化圏を中 利用されてきた。


強毒を持つものの、漢方やアーユルヴェーダなどの伝統医療で薬として使用される。


(注)「Tree of life 生活の木」のホームページ参考
アーユルヴェーダはインド・スリランカで生まれた、5000年以上の歴史を持つ世界最古の伝統医学で、サンスクリット語のAyuh(生命・寿命)、Veda(科学・知識)が由来。主に瞑想やヨガ、オイルマッサージ、呼吸法、ハーブを用いた食事療法などで、毎日の生活に取り入れて病気を予防し、心と体の健康を保つことを目的としている。


『改訂新版 日本の野生植物2』によると、キンポウゲ科トリカブト属の中に。レイジンソウ亜属に12種、トリカブト亜属に44種が記載され北半球の寒帯から暖温帯に300種以上が分布している。

天山のタンナトリカブト

参考資料 園芸情報誌 LOVEGREEN フリー百科事典・ウィキペディア

花と緑の仕事人 「吉田和三」

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動物と植物の関りは、地球誕生から今日まで、生命を維持するための酸素の提供、体を作る食料として切っても切れない関係にある。 また人類との関係は有史以来、冠婚葬祭などのお供え物に利用してきた。
この冠婚葬祭に植物を利用することがガーデニング (園芸作業)の始まりである。 初めは、野山にある植物の葉や花を摘んで飾ったであろう。

しかし、野生の物を取りに行くより、家の近くに植えた方が効率が良いことに気づいたのである。その為には「いつ頃移植をしたが良いか」「いつ花を切ったが長持てするか」など試行錯誤したであろう。

私達は先人からの教えでより良いガーデニングを行うことができる。


このコーナーでは、植物に関わる事を紹介しようと思う。