龍登園のGardening Diary「四季折々の植物 サクラ」

龍登園のローズガーデンの約400株の薔薇たちや、敷地内の草花の管理に
アドバイザーとしてお手伝い頂いている吉田先生のガーデニング・コラムです。

四季折々の植物 『サクラ』

シベリア、日本、中国、米国、カナダなど、北半球の温帯に広く自生している。
名前の由来は、サクラの「サ」は、古代日本人が神聖感を覚えた音で、神霊を意味するようになり、とくに農耕神 サガミ(田神)さす言葉となる。「クラ」は「座」を意味する。サクラは 「田の神のよる座」だったのである。その神格化が「木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)」で富士の頂から、種をまいて花を咲かせたとされる。
サクラ全般の花言葉は「精神の美」「優雅な女性」「優れた教育」などで、開花のみならず、散って花吹雪が舞う様を日本人の精神に表した。


龍登園のソメイヨシノ

サクラ

バラ科サクラ亜科サクラ属
学名/Cerasua
和名/サクラ
原産地ヒマラヤ

(別名・異名・俗名)

夢見草、徒名草(あだなぐさ)、挿頭草(かざしくさ)、吉野草、曙草

(種類)

 バラ科サクラ属の落葉高木または低木。約50種あり、主に北半球に分布している。
日本には30種が自生しており、園芸種も抜きんでて多く、現存するもので300種ぐらいある。何々ザクラと、特定の種を表すことが多い。品種は大きく分けられ、ヤマザクラ群、マメザクラ群、チョウジザクラ群、カンヒザクラ群、エドヒガン群、ミヤマザクラ群、の6群に分けられる。
そのうち、ヤマザクラ群は最も種類が豊富で古くから親しまれている。


  • ヤマザクラ群 ヤマザクラ、オオヤマザクラ、オオシマザクラ、ソメイヨシノなど
  • マメザクラ群 マメザクラ、オシドリザクラ、リョクガクザクラ
  • チョウジザクラ群 チョウジザクラ、タカサゴ
  • カンヒザクラ群 ツバキカンザクラ、カンヒザクラ
  • エドヒガン群 エドヒガン
  • ミヤマザクラ群 ミヤマザクラ


チョウジザクラ

河津桜とメジロ

カンヒザクラ

(桜とくらし)


*花見
万葉のころ、人々はすでに山野で鑑賞するほか、庭に植えたり枝を室内に飾っていたようだ。花の咲き加減で穀物の稔りを占ってもいた。花の御所の義満、大掛かりな花見をした秀吉といい、桜にはことのほか愛着があったようだ。江戸時代になると、花見は一般庶民の間にも広がっていった。
*桜餅
桜餅が記録に登場するのは江戸中期である。
*桜と模様
平安時代から貴族の調度や器物に現れる。鎌倉時代になると、ヤマザクラの意匠が登場し、鎧、甲冑にも取り入れられた。室町時代になると、桜文様の多様化が進み、桃山時代には、茶道具、着物表現されている。江戸時代になると、飾り棚、欄間、鞘、簪などの調度品にも描かれるようになり、家紋の桜も多様化が進む。


(龍登園のアタミザクラ)

龍登園には、「アタミザクラ」という新年になって一番早く咲く桜がある。
入り口の坂を登りきった辺りに1本だけあり、毎年2月初旬くらいの時期に花を咲かせる。
だいぶ弱ってきてるから大事にしたいものである。


アタミザクラ

アタミザクラ(アップ)

参考資料:「講談社・四季花ごよみ」 「フリー百科事典・ウィキペディア‐Wikipedia」

花と緑の仕事人 「吉田和三」

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動物と植物の関りは、地球誕生から今日まで、生命を維持するための酸素の提供、体を作る食料として切っても切れない関係にある。 また人類との関係は有史以来、冠婚葬祭などのお供え物に利用してきた。
この冠婚葬祭に植物を利用することがガーデニング (園芸作業)の始まりである。 初めは、野山にある植物の葉や花を摘んで飾ったであろう。

しかし、野生の物を取りに行くより、家の近くに植えた方が効率が良いことに気づいたのである。その為には「いつ頃移植をしたが良いか」「いつ花を切ったが長持てするか」など試行錯誤したであろう。

私達は先人からの教えでより良いガーデニングを行うことができる。


このコーナーでは、植物に関わる事を紹介しようと思う。