龍登園のGardening Diary「四季折々の植物 マンサク」
龍登園のローズガーデンの約400株の薔薇たちや、敷地内の草花の管理に
アドバイザーとしてお手伝い頂いている吉田先生のガーデニング・コラムです。
四季折々の植物 『マンサク』
マンサクを漢字で書くと「万作」「満作」「金縷梅」と書くが、最後の「金縷梅」の「縷」は漢和辞典で引くと、読みは「ル、ロウ」①イト 糸 ㋑糸すじ ㋺糸のように細長いもの ②細かい とある。花弁が黄色で細長く、梅のように早く咲くからであろうか。
八女市釈迦岳のマンサク
マンサク
マンサク科マンサク属学名/Hamamelis japonica
和名/マンサク
(別名・異名・俗名)
葉の形が左右非対称で不整なことから、カタソゲ(片削け)、新潟・長野では「ししはらい」、福井・滋賀では「つむら」、新潟・岐阜では「ねそ」などと呼ばれている。
(分布・生育地)
北海道渡島半島、本州の太平洋側から四国、九州に分布。一部日本海側にもある。山林に多く、山里の雑木林や谷筋の林に自生する。花木としても栽培される。
(形態・生態)
落葉広葉樹の小高木の灌木で高さは生長すると5~6mになる。葉は互生し、短い柄がついた長さ5~15㎝の菱形状で、円形から広卵状まであり、左右が歪み鋸歯がある。葉裏の葉脈上に淡褐色の毛が密生して目立つ。秋は黄色から橙色に色づく。開花期は2~3月で葉に先駆けて黄色の花を房状に咲かせ、ほのかな芳香がある。
花の直径は3~4㎝、花弁の長さは10~15㎜ほどの細長いひも状でねじれる(注・金縷梅と漢字で書く所以)。
果実はホウセンカのように、成熟後に乾燥することで先の皮が裂けて種子が飛び散る。
シナマンサク
ハヤザキマンサク
(マンサク属)
マンサク科の植物で、東アジアと北米に分布し4種ほどに分けられる
- マンサク(日本固有種)
- シナマンサク(中国原産 芳香が強く、春まで枯れ葉が残る。日本のマンサクとの交雑で多くの園芸種が作出されている)
- ハヤザキマンサク(北米原産 「早咲き」と名が付くが日本のマンサクと同じ時期に咲く)
- アメリカマンサク(北米原産 日本のマンサクによく似るが秋に咲く)
(亜種・変種・品種)
- オオバマンサク(本州中部地方以北に分布する亜種)
- マルバマンサク(北海道南部~日本海側に分布する亜種)
- アテツマンサク(中国・四国地方(愛媛県)に分布する変種。萼片が黄色
- アカバナマンサク(花弁が赤い品種)
- ウラジロマンサク(近畿・中部地方に分布する変種
- ウラジロマルバマンサク(北陸地方に分布する変種)
※トキワマンサクはマンサク科ではあるがトキワマンサク属と属が違う(本州中部以南から、中学南部、インド東北部に分布。日本の自生は極めて限定的)
(用途)
葉に止血の効果がある。アメリカマンサクは葉や樹皮に収斂薬や化粧水として古くから使われている。縁起物として小正月に飾られる削掛(けずりかけ)などに用いられたり、炭や蒔の材料にされた。樹皮で縄を作ることもある。
(注)収斂薬とは、粘膜や皮膚組織のタンパク質を沈殿させ、被膜形成して局所を保護。
アテツマンサク
アメリカマンサク
(用途)
葉に止血の効果がある。アメリカマンサクは葉や樹皮に収斂薬や化粧水として古くから使われている。縁起物として小正月に飾られる削掛(けずりかけ)などに用いられたり、炭や蒔の材料にされた。樹皮で縄を作ることもある。
(注)収斂薬とは、粘膜や皮膚組織のタンパク質を沈殿させ、被膜形成して局所を保護。
参考資料:フリー百科事典・ウィキペディア‐Wikipedia
マンサクの紅葉
縁起物の削掛(けずりかけ)
動物と植物の関りは、地球誕生から今日まで、生命を維持するための酸素の提供、体を作る食料として切っても切れない関係にある。 また人類との関係は有史以来、冠婚葬祭などのお供え物に利用してきた。
この冠婚葬祭に植物を利用することがガーデニング (園芸作業)の始まりである。 初めは、野山にある植物の葉や花を摘んで飾ったであろう。
しかし、野生の物を取りに行くより、家の近くに植えた方が効率が良いことに気づいたのである。その為には「いつ頃移植をしたが良いか」「いつ花を切ったが長持てするか」など試行錯誤したであろう。
私達は先人からの教えでより良いガーデニングを行うことができる。
このコーナーでは、植物に関わる事を紹介しようと思う。