龍登園のGardening Diary「7月の誕生花 ユリ」・「紫陽花の栽培」
アドバイザーとしてお手伝い頂いている吉田先生のガーデニング・コラムです。
7月の誕生花「ユリ」
花言葉は「純潔(白)」、「飾らぬ美(黄)」
学名/Lilium
和名/百合(ゆり)
原産地/北半球の亜熱帯~亜寒帯
ユリは大きく3つの種類に分けられる。
①「オリエンタル系」日本原産のユリ同士からつくられたもので、花が豪華で大きく香りがある。
②「アジアンティック系」アジア原産の」ユリからつくられたもので、花は小さめ。
③「テッポウユリ系」テッポウユリと台湾のタカサゴユリの交配種。
縄文人も食べてたユリ根
食べられるのは球根で「ユリ根」と言われ、福井県の鳥浜貝塚で出土した縄文時代前期の土器からユリ球根が発見された。
戦国時代にはヤマユリ・オニユリが植えられ、太平洋戦争の時も代用食になった。
ギリシャ神話やキリスト教とユリ
ギリシャ神話では、ユリは神々の長であるゼウスの妻ヘラの乳から生まれた聖花とされる。
キリスト教では、白ユリは聖母マリアの純潔の象徴とされ、天使ガブリエルが白ユリを持って聖母マリアにキリスト受胎を告げている。純白のマドンナリリーはキリスト教儀式に欠かせない花であったが、明治のはじめに欧米に紹介されたテッポウユリが人気が出て、マドンナリリーと入れ替わったという。
参考資料 お花いっぱい情報サイト「EVERY FLOWERS」
紫陽花(あじさい)の栽培
一般的に「アジサイ」と呼ばれる植物は、日本原産のガクアジサイが改良された品種で、落葉低木である。萼(がく)が大きく発達した装飾花を持ち、ガクアジサイでは花序の周辺部を縁取るように並ぶ。園芸では「額咲き」と呼ばれ、ガクアジサイから変化し、花序が球形ですべて装飾花となったアジサイは「手まり咲き」と呼ばれる。
アジサイ属の一部の種では、ウシ、ヤギ、人などが摂食したことによる中毒事例が報告されているので取り扱いには注意する。
アジサイには、旧枝咲きと新枝咲きがあり、旧枝咲きは花後7月までに剪定をし、新枝咲きは3月に剪定しても花が咲く。新枝咲きには「アナベル、ノリウツギ」がある。
旧枝咲きの剪定についてNHK趣味の園芸6月号で興味ある楽しみ方が紹介されている。
①「芽かき」にチャレンジ
芽をかいた枝の上部からは枝は伸びません。
枝の下部に芽を残すことで翌年の樹高が抑えられ、7月に切り取っていた花も、冬まで枝につけたままにできます。
②「葉かぎもしよう」
葉は下に引っ張ると元から取れる。葉を残し過ぎるとサイド・シュートになりやすい。ただし、減らし過ぎても養分不足で芽がやせて花が咲かない。
③花がついていない「新しい枝」を切り戻す
花がついた枝は、ドライになった冬枯れの姿を冬の間楽しんで、春の景色になってきたら大きくふくらんでいる花芽の上で切る。
アジサイを切り花に (参考 NHK趣味の園芸6月号)
晴天の続いた日の午前中。前日から水やりも控えて「空気が乾燥して花も乾き気味だと、切ったあとも、しおれにくいようだ。
①蒸散を抑えるため余分な葉を取り除き、水を吸う道管がなるべく広くなるよう、茎を斜めに長く切る。
②中のワタをフォークなどでかき出して、ストロー状に。
動物と植物の関りは、地球誕生から今日まで、生命を維持するための酸素の提供、体を作る食料として切っても切れない関係にある。 また人類との関係は有史以来、冠婚葬祭などのお供え物に利用してきた。
この冠婚葬祭に植物を利用することがガーデニング (園芸作業)の始まりである。 初めは、野山にある植物の葉や花を摘んで飾ったであろう。
しかし、野生の物を取りに行くより、家の近くに植えた方が効率が良いことに気づいたのである。その為には「いつ頃移植をしたが良いか」「いつ花を切ったが長持てするか」など試行錯誤したであろう。
私達は先人からの教えでより良いガーデニングを行うことができる。
このコーナーでは、植物に関わる事を紹介しようと思う。